2019年4月、日本の労働法は大きく変わります。「働き方改革」をキーワードとする70年ぶりの大きな改革です。
テーマ1 : 長時間労働の是正
日本の企業の多くで長時間労働が大きな問題となっています。この長時間労働を是正するため、時間外労働時間の規制は、「原則、月45時間、年360時間」と定められます。年6カ月までの繁忙期については、上限は年間で計720時間、単月では100時間未満ということになります。違反した企業には、罰則が科されることになり、時間外労働の規制が強化されます。労働基準法制定以来、初めて上限が定められるということで、画期的です。
テーマ2 :同一労働同一賃金が義務づけ
正社員と非正規労働者の待遇に不合理な差をつけることが禁止されます。
テーマ3 : 有給休暇取得の義務づけ
有給休暇が年10日以上ある労働者について、そのうちの5日間の取得を企業に義務づけします。
テーマ4 : 勤務間インターバル制度が努力義務
勤務インターバルについては、勤務終了後次の勤務までに、一定時間以上の「休息時間」を設けることで、仕事以外の生活時間や睡眠時間を確保するという制度です。この制度の内容を就業規則に記載し、実践することが求められます。
テーマ5 : 割増賃金の猶予措置廃止
現在、大企業のみ実施が求められている残業時間月60時間超えの割増賃金50%が、2023年4月から中小企業にも適用されます。
テーマ6 : 産業医の機能強化
産業医は、職場で従業員の健康管理を担当する医師で、常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場において選任が義務づけられています。2019年4月には、契約した産業医に対して、従業員の健康管理に必要な情報の提供を義務づけています。
テーマ7 : 高度プロフェッショナル制度の創設
高度プロッフェッショナル制度が新しく創設されます。1,075万円以上の高収入で、専門的な知識を持った労働者については、企業と対象となる労働者が同意をすれば、労働時間規制から外されることになります。つまり、対象となる労働者には残業や深夜・休日労働をしても、一切支払われなくなります。
事業主は改正される労働基準法に適合するように就業規則の見直しが必至となります。就業規則の改定とともに就業規則改定の助成金制度の利用をご検討されたい企業からの相談をお受けしております。ご相談は、メールフォームあるいはお電話にてお問い合わせください。